きまぐれ事典

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映画「告白」

Posted on | 2010年 9月 23日 | Permalink

【告白】
(1) 秘密にしていたことや心の中で思っていたことを、ありのまま打ち明けること。また、その言葉。
(2) キリスト教で、自己の信仰を公に表明すること。また、自己の罪を神の前で打ち明け、罪の許しを求めること。

少し前になりますが、映画「告白」を見てきました。見てからだいぶ時間経ってるので、もう記事書かなくていいかなとも思いながらも、それでも一応、感想を書いておきますね。映画「告白」は情報によるとわりと問題作であるとのことで、この作品はR指定となってます。

あらすじは一人娘を生徒に殺されてしまい、静かに復讐をしていく女性教師とそれを取り巻く人々のお話。女性教師をはじめ、数人の登場人物の告白、という形式で、いくつかの視点からストーリーが語られていきます。

女性教師を演じるのは松たか子さんなのですが、騒ぎ立てる崩壊気味の学級の中で淡々と話をしはじめ、衝撃の告白をしていくところは、見ているこちらも息を飲むような感覚です。あの淡々とした喋り方がこわい。。

やっぱり問題なのは、生徒相手に復讐を目論むという部分なのでしょうか。そりゃあ人間、愛する娘を殺されでもしたら相手が憎くてたまらなくて、仕返しをしてやりたい気持ちもわかります。法が裁いてくれなかったというのもあれば、なおさらそうなのかも知れません。でも、やはり、教師が生徒に復讐、というのはなんかインパクトあるなあ。。やり方もえげつないというか、涼しい顔してよくそんなことをという感じです。

犯人とされる生徒たちもまた、心に闇を抱えています。なぜ教師の娘を殺すに至ってしまったのか、ということも自らの告白形式で語られております。こういうのが少年犯罪の心理なのかなあ。なんというか、短絡的というのか。おそろしいと思った。

見所かなあと思ったのは、序盤、中盤通してずっと静かで冷静な語り口調だった女性教師が、終盤で泣き崩れたり、ゲラゲラと笑ったり、悪意に満ちた言葉を投げかけたりする所かな。豹変ってやつでしょうか。極めつけは「どっかーん」(笑)いやー、本性を表すという感じ。背筋ぞぞぞっとなります。

最後、復讐はとある形で完結することになります。犯人の生徒は二人いるんですが、結局二人とも命を奪われることはありません。でも、それに匹敵する、もしくは上回るものを失うことになります。これを計算して復讐をしていたのだからすごいし、むごい。

この映画、見方は二通りあるのかも知れない。ひとつは、復讐は醜いものだ。いくら肉親が殺されたからといって復讐はイカン!復讐してしまったら相手と同じところに落ちちゃうよ!もうひとつは、法が守ってくれないのなら、自分で制裁を与えても構わないのでは。それくらいにひどいことをされたのだから。僕は、映画を見ていてなんとなくふたつの考えが同居してしまいました。実際こんな立場に立ったらどうするのだろう。復讐なんていけないことだとは分かっているけれど考えてしまうなあ。

教育者が大人げなく復讐劇に出るという部分や、その復讐の方法やらが問題作たる所以なのでしょうか。先生と呼ばれる職種の教師も、やはり人間なのですよね。女性教師は、自らの復讐、告白によって命の授業をしているようにも見えます。命の尊さを生徒たちに教える。ただ、根底にはやっぱり恨みがギッシリ詰まっているのだろうなあと思って見てしまいます。松さんの演技の、静と動の表情からそういう両面性を感じたし、人間っぽさなのかなあと。命の重さと、善悪に揺さぶられながら、とても考えさせられる作品でした。

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コメント

2 コメント - “映画「告白」”

  1. GUERLAIN
    2010年 9月 23日 @ 12:34

    こんにちは

    TACAさんは映画をご覧になったんですね
    私は「告白」の原作本を読みました

    教員の前に人間なのか 人間の前に教員なのか
    そもそも人に道徳を教える・人が人を裁く という事がどういう事なのか

    私は戦場での殺人は罪か英雄か
    という事にも似ているな と思います

    日本人は小さい頃から教育で人の命の教育を受ける機会が滅多になく
    この原作本を書いた著者も日本の教育が反映された考え方が物凄く色として出ていると思いました

    例えば 黒人の方のように歴史からみて決して命というものから目を背く事が出来ない立場に立っている人達は この物語を読んでどう感じるだろう とか

    こうゆう物語を思いつくのは日本人だけなのではないか とか

    色々考えさせられる内容でもありました

    人の命って決して机上で語られるものでは無く、その人の生きている時間・共に過ごしている人達・経験している事・考え方・感じ方
    色々な要素が複雑に混ざり合って、その人が感じている事そのままをブレなく理解する事は不可能に近いですよね いや、不可能と言っていいかもしれません

    そうゆう事を含めて物語を考えると
    こうゆう物語を書ける人も居るんだなぁと
    私には到底真似出来ない事だと 感じます

    著者の思想が気になりました

    その先に日本は大丈夫なのかな と不安に感じます

    この物語を公開する事で与える影響を吟味して予測した上で作成したものなのかな と

    話題になったからなど きっかけは様々でもいいと思うのですが、観た後や読んだ後に何を感じたか
    そこが一番重要だと思います

    1つの映画や本で考えすぎかもしれませんが
    私はそう感じました

    もっと気軽に観れたり読んだり出来たら
    感じる事も全く違うのかもしれませんね

  2. TACA
    2010年 9月 24日 @ 02:18

    GUERLAINさん

    コメントありがとうございます。

    僕は原作本の方は読んでいないので、映画版のみの感想になりますが、観終わった直後の率直な感想を言うと、正直、言葉もない…という感じでした。

    命の尊さや、罪と罰など、とても重いテーマを盛り込んでるのは分かるのですが、表現方法というか、えぐり方が過激なのかなあと思いました。

    この作品のメッセージをどう捉えるのかは人それぞれなのかも知れませんが、意見が分かれるのも納得できる気がしますよね。

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