涼を求めて
Posted on | 2015年 8月 11日 | Permalink
暑い日が続いている。今年はとくに暑いんじゃないのかなんて思うが、たぶん去年の夏も、一昨年の夏もこんなものだったんだと思う。
それでも、自分が子供の頃に比べたら、確実に今の夏の方が暑い気がする。昔はクーラーのない生活が普通だったのに、クーラーなしではいられない現代人は暑さ耐性が衰えてしまったのかもしれないなあ。
さてさて、夏といえば……
そう、かき氷。ある暑い夏の日に、かき氷を求めてたどり着いたのはなぜか一畑薬師だった。
一畑薬師参道の一番奥にあるお店、その名も「もんぜん」。昔ながらの食堂兼お土産屋さんなのだけれど、お店の奥の座敷席からの眺望が素晴らしい。晴れていれば眼下に宍道湖を望むことができる。
このお座敷でかき氷を味わう。私が宇治金時で、妻がミルク金時。ひんやりと美味しい夏の涼だ。
時折、涼やかな風が頬を撫でていくのが心地よい。これくらいいい風が通ればクーラーは我慢できそう。
一畑薬師にお参りして帰路、一畑口駅にちょこっと寄り道。昔はここで下車して一畑薬師に参拝したのだろう。この駅はレトロさがそのまま残っていていいなぁ。
帰宅して、ちょっとだけ昼寝をして、夕方から斐伊川土手まで花火を見に行く。がやがやとたくさんの人がごった返していてムンムンとした熱気はたまらなく暑苦しいんだけど、これぞ日本の夏だよなあと思わせる。
暑いんだけど、夏が好きだ。
夜空に咲く花
Posted on | 2015年 8月 3日 | Permalink
夏の夜は花火。夜の闇に咲いては散っていく色とりどりの大輪の花。まさに、日本の夏だなあと。
今年は浜田市の花火を見る機会に恵まれる。浜っ子夏まつりというお祭りらしい。同じ県内でありながら、うちから浜田まではかなり距離があるので、これまでわざわざ来ることがなかったのだけれど、今回はたまたま花火の見えるお宅へお邪魔させていただけるという機会に恵まれ(謎)、一杯やりながらベランダから花火を見させていただく。最高。感謝。
花火の写真、これ何枚か写真を重ねてるんだけど、重ね具合がまた難しい。撮ったもの全部やっちゃうと、もう爆発してるようにしか見えなくなる。きれいに見える配置、バランスを見ながら厳選 or 無駄を省く必要がある。正解はわからないのだけれど、できあがったのはこんな写真だった。
七月は古代ハス
Posted on | 2015年 7月 5日 | Permalink
あじさいのピークが終わると今度はハスだ。荒神谷の古代ハス。いつの間にかゆるりと流れゆく季節のその時々に、折々の花が愛でられるというのはいいものだ。こんなふうに思うのも、だいぶ歳を重ねちゃった証拠か。
花は美しく咲き誇り、やがて枯れ、そしてまた次の世代へ。こんな営みを黙ってずっと繰り返し続けてきた。これからもずっと続けていくんだな。
六月は紫陽花
Posted on | 2015年 6月 30日 | Permalink
6月。雨の季節だ。この頃は雨や曇りの日が多い。そして6月と言えばやはりあじさいかな。今年も松江の月照寺にあじさいを見に行ってきた。
あじさいは雨にこそ似合うと思っているのだけれど、太陽の光に鮮やかに映える花びらもいい。同じような色でいて、少しずつニュアンスの違う色。たくさんのあじさいがこの季節を待ちわびていたように咲き誇っていた。
あ、そうそう、6月と言えばもうひとつ。ホタルなんだけど、こちらも何度か見に行った。ちょっとだけ写真を撮ったけどなかなか思うようには撮れないものだ。時間がある時に気が向いたらまた別記事にでも載せようかな。
王ヶ頭ホテル/最高のロケーションと最高のもてなしに癒やされた信州・美ヶ原の旅
Posted on | 2015年 6月 7日 | Permalink
5月の終わりに、GWの代休として数日の休みを取り、妻と車で遠出をしてきた。凛々しい山のある風景が好きで何度か訪れたことがある信州へのドライブ旅行だ。
中でも自分がとくに好きなのはヴィーナスライン。八ヶ岳、蓼科あたりから美ヶ原にかけて高原の美しい景色の中を走る道路である。初夏の爽やかな風を感じながら、またこの道を車で走りたかったし、妻にも同じものを見て、体験してもらいたかった。
そして、今回はもうひとつ目的があった。それは、美ヶ原にある王ヶ頭ホテルに泊まりにいくこと。たまたま読んだとある記事で知ることになったとても魅力的なホテル。何度か来たことがある美ヶ原だが、これまでにまだ宿泊をしたことはなかった。こんな素敵な場所で一晩泊まってみたかった。
この王ヶ頭ホテルは標高2,000mの高原の上、自家用車では直接辿り着くことのできない場所にある。車は途中の駐車場に停めておき、迎えのバスでホテルまで行くことになる。王ヶ頭ホテル周辺はなだらかで広い牧場になっていて、ホテルに向かうバスの車窓からはたくさんの牛が見えた。
王ヶ頭ホテルへ到着。ホテルは、王ヶ頭山頂部に群立するいくつかのテレビ塔とともに建っている。遠くから見ると何か秘密の要塞のような感じだ。
それにしても本当に素晴らしいロケーションだ。夕方になり、少し霧が出始めていたが、それはそれで高原らしい雰囲気がとても良かった。
バスを降りるなり出迎えのスタッフに丁重に案内される。フロントでチェックインを済ませ客室へ。客室はグレードのそれほど高くない洋室だが十分にリラックスできるし眺めも抜群に良い部屋だった。
夕食前に食前酒のサービスとのことで、ロビーでシャンパンや山葡萄ジュースをふるまわれた。景色の良い席に腰掛け、長距離移動で疲れた体に極上の一杯を流し込む。最高。
食事までの間、部屋でくつろいだり、ホテルのあちこちを見て回ったりした。ホテル内にはワクワクするような仕掛け…というか設備がそこかしこに用意されている。例えば、2階の一角には「星のテラス」と名付けられた小じんまりとした展望デッキがある。「夜はここから星を見たらいいね」などと妻と話していた。この他にも、山や星の本を集めた書斎のような場所が設けられていたり、廊下にずらーっと王ヶ頭周辺の美しい写真が掛けられていたり。
そればかりではない。最上階にはちょっとした広さのスペースが設けられていて、夜にはそこで写真スライドの上映会が開かれたり、夜と早朝にホテル近くへのバスツアーが出ていたりなど、お客を楽しませるイベントも充実している(いずれも参加は自由)。それはそれはもう、ホテルマンのどうやってお客を楽しませようかという工夫と心意気の詰まったホテルだと感じた。
夕食の時間になった。あらかじめ尋ねられていた希望の食事時間に、2階にある食堂へ行って食事となる。食堂からはまわりの景色が見渡せるはずだが、雨雲がホテルを覆ったりまた過ぎていったりとコロコロと状況を変えている。ともかく、視界は良くない。本来なら夕焼け色に染まる美ヶ原を眺めながら食事が出来ていたのかもしれない。山の上から見る夕景もちょっと楽しみにしていたのだけれどこれでは仕方ないか。
天気については少し残念だが、王ヶ頭ホテルでは食事についても楽しみにしていたのだ。そうそう、ちなみに、妻のコンディションのことなどもあり、前もってメニューについて希望を申し出ていたのだが、快く聞いていただき本当に感謝している。
さて、お品書きと、メニューを一品ずつこっそりスマホで撮影しておいた。
長野の旬の味覚が上手に調理され、上品に盛りつけられていて見た目にも美しく、そしてどれもとても美味しかった。
食事の最中にふと、一人のスタッフの方がテーブルにやってきてこう言った。
「まだなんとも言えませんが、もしかしたら沈む夕日が見られるかもしれませんので、ご希望であれば一旦食事を中断して見に行かれてはどうですか?」
はっきり言って衝撃すら覚える瞬間だった。普通、一般的なホテルでは、なかなかこんな対応はしてもらえないだろう。客の食事が遅くなれば自分たちの仕事も片付かないのではないだろうか。そんなことお構いなしに、おもてなし第一の心意気あっての、この申し出である。感動。これはリアルな「はるちゃん」みたいな世界ではないかと。もちろん、喜んで夕日を見に席を立たせてもらった。妻も大喜びである。
ホテルのすぐ裏手が王ヶ頭の山頂になっている。こちらの方面に日が沈む。あいにく、それほど鮮やかな夕焼けは拝めなかったが、先程までの霧や雨雲はホテルの周囲から一時消えて視界を取り戻していた。西の淡い夕焼け空のすぐ下には鋭いギザギザした山々が見えていた。この時期この時間の標高2,000mは結構寒い。すぐに食堂に戻り、鍋に火を付けてもらった。
食事を終えて部屋に戻り、もう一つの楽しみ、風呂へ。部屋にはユニットバスが付いていたのだけれど、それ以外にも男女の大きい浴場、いくつかの貸し切り風呂がある。貸し切り風呂は空いていれば予約なしで利用していいらしい。たまたま、空きになっていたのでこちらで入浴。利用した風呂場は露天風呂になっていた。冷たい空気に顔を出し、あたたかいお湯に体を浸かる。天国。再び霧が出ていて視界は真っ白だった。ここに満天の星空が出ていれば言うことは何もなかっただろうが、それでも十分なくらい気持ちいい。
ちなみに明るい時間帯の貸し切り風呂はこんな感じ。この風呂は露天風呂にはなっていなくて、窓ガラスが嵌めこまれているタイプ。
天気はまた崩れ出していたので、夜のバスツアーは星見れないんだろうなと考え早々と諦めたが、じつはかねがね、夜中に起きて万が一チャンスあらば星空をカメラに収めてやろうと考えていた。この日は満月にもほど近い明るい月が沈むのが午前2時過ぎ。3時頃に起きてみようと思っていた。
連日の長い運転で疲れていたのでぐっすり眠っていたが、妻にたたき起こされた。星が出ているらしい。例の「星のテラス」へ出て空を見上げてみる。すっかり晴れて空一面を星が埋め尽くしているじゃないか。すぐにカメラのセッティングを始めて撮影を開始したが、間もなくしてまた雲に邪魔をされてしまったため、そこで撮影は終了。次の日判明したのだが、寝ぼけてピント合わせをしっかりしておらず、星の写真はすべてピンぼけであった。とほほ。
星を見ることができたので、もう一度寝ようかとベッドに横になったが、なんだか深く眠れない。そうこうしているうちに今度は日の出の時間だ。妻ももう興奮冷めやらない感じで朝日を見に行こうと言っている。日の出予定時刻を少し前にホテルの外へ出てみる。
あとからは他の宿泊客も日の出を見にぞろぞろとホテルから出てきた。みんな思い思いに白んできた東の空を見つめる。
日の出の瞬間、そこにいるみんなが息を飲んだような気がした。美しいご来光があたりを照らしはじめる。遠くの山々も照らしだされる。今、この世界が眠りから覚めるようだ。
朝の眺めをひと通り楽しんだ後、ホテルに戻る。ロビーとテラスの間にある部屋に「日の出CAFE」の文字があるのに気付く。朝日を浴びながらコーヒーが飲めるんだなぁ。素敵だ。
なんて素晴らしい時間なのだ。朝、好きになりそう。夜型人間ではあるのだけれど。。
部屋に戻り、眩しい光の中でまどろみつつも、結局そのまま眠ることはなく、夜中の3時に起きたまま起きっぱなしである。刻々と変わる光と影のバランス、空の色の変化なんかを部屋の窓から眺めていた。
朝食も品数たくさん。でも美味しいのでもりもり食べられてしまう。
王ヶ頭ホテルでの一泊もそろそろ終わりを迎える。これほど名残惜しくなる旅の宿はこれまであっただろうか。そう思わせるのは、絶景のロケーションと、ここで働くスタッフの皆さんのホスピタリティあってこそだろう。本当におもてなし精神がたくましく、スタッフひとりひとりが宿泊客に楽しんでもらいたいと考えて行動している(ように思わせてくれる)。
本当にまたこのホテルへ泊まりに来たいと思った。今度は銀世界を見に冬か、紅葉の美しい秋か、夏雲がもくもくと湧き出す真夏なのか、次はいつになるかはわからないけれど、また家族で訪れたい。この日宿泊してそんなことを考えているお客さんは決して少なくないだろう。王ヶ頭ホテルはそんな素晴らしいホテルだ。