全天周映像「はやぶさ BACK TO THE EARTH」をみてきた
Posted on | 2010年 9月 25日 | Permalink
はやぶさ(第20号科学衛星MUSES-C)は、2003年5月9日13時29分25秒(日本標準時、以下同様)に宇宙科学研究所(ISAS:現在は宇宙航空研究開発機構 (JAXA) の下部組織)が打ち上げた小惑星探査機である。イオンエンジンの実証試験を行いながら2005年夏にアポロ群の小惑星 (25143) イトカワに到達し、その表面を詳しく観測してサンプル採集を試みた後、2010年6月13日22時51分、60億kmの旅を終え、地球に大気圏再突入した。サンプル容器が収められたカプセルはオーストラリアのウーメラ立入制限区域内にパラシュートを展開して降下、翌14日16時8分、無事に回収された。カプセルは18日に日本に到着し、内容物の調査が進められている。
小惑星探査機はやぶさの全天周映像プログラム「はやぶさ BACK TO THE EARTH」を見に行ってきました。全国のプラネタリウムで上映しているのですが、うちから一番近い場所は大田市の三瓶自然館サヒメル。一週間ほどの上映とのことでしたので、時間を作って行ってきました。
はやぶさが地球へ帰還し多くの人に感動を与えてくれたのはまだ記憶に新しいですが、このはやぶさが地球を旅立ってから、小惑星イトカワに到達して、再び地球へ戻ってくるまでの過程を、父が息子(はやぶさ)にでも話しかけるような口調で語りながら見せてくれる映像作品です。
プラネタリウム用の全天周ドームに映し出される宇宙空間を進むはやぶさ。イスに座って見ていると、はやぶさとともに宇宙を漂っているような錯覚すら覚えます。はやぶさがどういう道のりを歩んでいって、どれだけの困難にさいなまれ、それでも諦めずに地球を目指して帰ってきたのか。30分ほどの短い作品ですが、やはりついつい感情移入して見てしまいました。
イオンエンジンのトラブル、イトカワでの不時着、燃料漏れ、通信断絶…、数々の困難に直面し、その度にエンジニアたちの工夫や熱意で持ち直してきました。はやぶさがもし感情を持っているとするのなら、地球との通信を絶たれ、冷たい宇宙空間を孤独にさまよった時には本当にさみしかったに違いないだろうなあ。それでも希望を捨てず諦めずに地球を目指したんですよね。
この作品ではエンジニアの苦労話的なことはほとんど割愛されており、はやぶさ本体を一人の人としてとらえるような感覚で作られておりますが、本当に諦めなかったのははやぶさのエンジニアたち。でも、そのエンジニアたちから見れば、やはりはやぶさは、トラブルに負けずひたむきに健気にがんばっている息子のようにかけがえのない存在だったのでしょうね。そういう感情や想いが作品を通して伝わってくるようでした。
最後ははやぶさの大気圏再突入シーンで幕を閉じます。やはりというか、どうしてもうるっと来てしまいますね。胸が熱くなる。ほとんどの探査機は、地球を旅立った後はそのまま地球に帰ってくることはありません。あれほどの苦難を乗り越えて、目的も果たし、再び地球に戻ってきたとなるとやっぱりすごいと思うし、そのエピソードに感動してしまうというのが人情ではないでしょうか。でも、燃え尽きてしまうんですよね、はやぶさ。キラキラと輝きながら。サンプルの入ったカプセルを地球に届けて。涙。
「はやぶさ BACK TO THE EARTH」良かったですよ。挿入歌も素敵でした。この作品、DVDも出ているみたいですが、ぜひ全天周映像で見ることをおすすめします。はやぶさと宇宙を漂う感覚を味わえますよ。
ついでですが、はやぶさが地球に帰還した時のこともブログに書いております。記事はこちら。「おかえりはやぶさ」
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